俺はじっと、その光景を見つめていた。 恩田の一言で、ハッと我に返る。 「遼多って? 誰?」 「え? ああ‥浅海の弟」 「ふぅん」 恩田はじっと、公園を見つめていた。 そして。 「裄はさあ、梨元さんのことどれぐらい好き?」 「は?」 いきなりの恩田の問いかけに、俺は恩田を見下ろす。 「答えて」 「なんで?」 「なんでもっ!」 強気の恩田の言葉に、俺は仕方なく答える。 「命よりも大切な存在。それぐらい好き」 今、浅海がいなくなったら、 俺は生きていけない。 それぐらい浅海を想ってる。