「裄さあー、梨元さんと喧嘩したんでしょ?」 なれなれしく裄と呼ぶ恩田。 浅海との喧嘩のこと、触れないでほしいんだけど。 「別に、恩田には関係なくねぇ?」 俺と浅海の問題だから、首をつっこんでほしくない。 「それと。裄って呼ぶなって言ってんだろ」 少しイライラしていた俺は、いつもより強めの口調で言った。 「えー、別にいいじゃあーん」 「良くねぇよ。嫌だって言ってんの」 「梨元さんと坂井さんは呼んでるのに‥」 「あいつらは特別なんだよ」