いくら恩田でも、裄って呼ばれたくはなくて。

俺は拒否したけど、それでも裄と呼んでくる。

正直、少しうんざりしていた。


けれど、どこか強く言えない自分がいた。

恩田が俺の腕に絡みついてきても、強く振り払うことができなくて。

そんな俺の態度が、浅海を傷付けた。

ほんとにサイテーだ、俺。


恩田なんか眼中にないくらい、浅海が好きなのに。

なんで泣かすような真似、したんだろ‥

浅海に会いたい。

会って、ちゃんと謝りたい。


そう思って、携帯を手に取った時。