不思議に思って裄を見上げると、ふてくされてるような表情。

あ、ヤキモチだ、きっと。


あたしは嬉しくなって、笑いながら裄に言った。


「かっこ良かったけどね、あたしが1番かっこ良いって思うのは、裄だよ?」


すると、赤い顔であたしを見下ろす裄。


「‥反則」


そう言ってあたしを抱きしめた。


「きゃっ。裄、ここ大学っ‥」

「分かってるし。けど今は無理。離れらんねぇ」


裄の言葉に、あたしは赤くなりながらも、腕を回した。

まわりの視線が痛かったけど、裄の腕の中は心地が良くて。

そんなの気にならないほどに、裄を愛しく思った。


《END》