信じないでよ‥そんな嘘。 けど、これが裄の優しさ。 友達を疑うことなんてできないんだ。 「けど、浅海と口利いてない2週間、本当につらかった‥ずっと浅海に会いたいって思ってた」 つらそうに言う裄が、たまらなく愛しく思った。 あたしだって、裄に会いたかった。 裄の声が、聞きたかった。 今、せっかくした決心が、鈍っていく。 「浅海‥別れるなんて言わないで? もう、つらい思いは、させねぇから‥」 弱々しい裄の声が、決心なんてどこかに飛ばした。 あたしは、後ろから裄に思い切り抱きついた。