「それはっ‥‥」 何かを言いかけて、口を閉ざす裄。 言いにくそうに、顔を歪めている。 そして、口を開いた。 「俺さ‥浅海と喧嘩した日に、恩田に告白されたんだ」 ‥‥‥え? こくは、く? 「好きだって言われて。けど俺には浅海しかいないし、ちゃんと断った」 別れを決意してるのに、裄の言葉につい嬉しくなる。 「でもな、諦めないって言われて‥‥浅海と3週間口利かなかったら、諦めるって言われた」 なに‥それ‥ 「嘘だって思ったけど、恩田の顔が真剣だったから、信じてみることにした」