更に笑い出す裄くん。 …笑わすつもりで言ったんじゃないんだけどなあー。 「まぁ、その元気があれば大丈夫だろ」 「え?」 「優勝、梨元ならできるよ。坂井だっているんだし」 そう言って、あたしの頭を撫でる裄くん。 なんだかパワーをもらってるみたい。 「優勝したい、じゃなくて、優勝するっ! って気持ちでやってみな?」 「うん、分かった」 「俺も応援してるから」 「うん」 裄くんの言葉が嬉しかった。 その言葉だけで、優勝でもなんでもできるような気がしてくるよ。