電話の相手は、遼多。


「遼多あー‥」


遼多の声を聞いた瞬間、なんだか安心して涙が出てきた。


『姉ちゃん? 泣いてんの?』


いつもと違って、優しい遼多の声がする。

昔の、あたしを大好きだった頃の遼多の声。


「もうやだよ、遼多‥‥」

『姉ちゃん、どうしたんだよ? 今どこにいんの?』

「裄んちの近くの‥公園」

『分かった。すぐ行くから待ってろよ?』


遼多が言った後、電話は切れた。

こういう時、遼多に電話をかけてしまう辺り、

あたしもまだ弟離れが出来ていないようだ。