「はいそこ、イチャつき禁止ー」 あたしたちの空気を割るように 遼多が言葉を発した。 「早く食べないと、置いて帰るよ」 なぜか偉そうに仕切る遼多。 仕方なくあたしと裄は、食事を再開した。 帰りの車の中で、みんなに隠れて裄は手を繋いでくれた。 恩田さんの話でわいてきた不安を かき消すように裄の体温が伝わってくる。 大丈夫だよ、って 言ってくれてるような。 それだけで安心できるんだ。