その時、ふと目を向けた時計。 「あっ! 裄! 時間ヤバい!」 「え? あっ、ほんとだ」 時間を確認した裄も、あたしと同じように慌てる。 「ごめん! あたしと裄、先帰るね?」 「え? うん…何か用事?」 「入学祝いに、うちの親がご飯食べに連れてってくれるの。少し遠出するから早く帰んなきゃ」 「そっか。じゃあまた明日ね?」 「うん、またね! 芽生も!」 「ばいばい」 あたしは裄と一緒に会場を飛び出した。