芽生とはしゃぎながら歩いていると、入り口のところに三人が見えた。 「あっ、綾子たちだ」 「どこ? あっ、いた。…って、笠原くんと山本くん?」 裄と槇を見つけた芽生が、びっくりしたように呟いた。 「あっ、裄と槇? 同じ大学だよ」 「え、そうなんだー。実はあたし、笠原くんのこと気になってるんだよね」 えっ? 気になってる? やっぱり裄ってモテるんだね。 「仲良いのー? 二人と」 芽生に聞かれて少し迷った。 言うべきか、言わないべきか。