いつの間にか、眠っていた。 目を覚ますと、あたしは裄の腕の中にいた。 あたしをしっかりと抱きしめて眠る裄は、すごくかっこ良かった。 「んん……」 顔を歪めた裄の目が、ゆっくりと開いた。 「あさ、み…?」 「ん?」 あたしの名前を呼ぶ裄。 そして、ぎゅっと抱きしめた。 「現実…だよな?」 「ふふっ。現実だよ」 疑うような裄に、あたしは笑いながら答えた。 「浅海」 「なに?」