恐る恐る聞く裄。
あたしは口を開いた。
「裄が優しいからっ……離れたくないってっ、思ってっ」
裄に抱きしめられた時に止まった涙が
また溢れてきた。
「それで、泣いてたの?」
あたしは頷いた。
「やっぱ、俺のせいじゃん…」
小さな小さな声で、裄は呟いた。
「裄のせいじゃっ…」
“ないよ?”
そう言おうとした唇は、
裄のそれによって塞がれた。
「俺のせいだよ?」
そう言ってあたしの目をまっすぐ見つめる裄。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…