その時、一瞬恩田さんが呟いた言葉が気になってしまった。 「ふぅん、槇ねぇ」 「え?」 「ううん、何でもない」 すぐ笑顔に戻った恩田さん。 あたしも気にしないことにした。 「恩田さんって、第一女子だよね?」 「うん、そうだよー。制服で分かった?」 「うん。高校ではバドやってたの?」 「ううん。勉強大変だからやらなかったんだぁ」 確かに第一女子は進学校。 相当頭のいい人じゃないと入れない。 校内見学の間、ずっと恩田さんと喋ってた。 いい人だなぁって思った。