驚いたように声をあげる綾子。


「なんでー!? なんで短大なのー!?」

「なんでって……いきたいからだよ」


甲高い綾子の声に、

耳を押さえながら言う。


「大学いかないのー!?」

「えー…だってお金かかるじゃん」

「浅海頭いいのにもったいないじゃんっ。大学いくぐらいのお金あるでしょー」


なんでそんなに綾子が必死になるのか分からない。


「綾子は大学いくの?」

「うん、いくよ。槇も。裄は?」

「裄? 知らない。聞いてないから」

「え? 進路の話とかしないの?」

「しない」