具合? 裄、気付いてたの? 「熱、下がった?」 「え?」 「熱」 裄の行動に少しついていけなくて。 裄を見つめるあたし。 「ああ……計ってないから分かんない」 「計れ」 そう言ってあたしに体温計を差し出す裄。 あたしはその体温計を脇にはさんだ。 沈黙が流れる。 すぐに体温計は鳴って、体温を確認した。 「36.8度」 「下がったか?」 「うん」 あたしが頷くと裄は、 一瞬安心したように笑った。