「お前、帰れ」 「え?」 裄にいきなり言われた言葉。 帰れ…? なんで…? 「集中してない。他の部員に邪魔だから帰れ」 冷たく言い放つ裄。 一瞬で、そこの空気がしーんとなる。 あたしは泣きそうなのを耐えて部室まで走った。 最悪。 最悪、最悪、最悪。 最低だよ、あたし……… 「もうほんとにやだー…」 部室に入って、ズルズルとロッカーを背に座り込む。 溢れてきた涙がこぼれた。 最悪、最低。 裄にあんなこと言われる自分がありえない。