あたしは、悪魔と契約しました。

あのに、あたしの涙は、、、そこまで待ってくれなかった。


零れ落ちる、涙。


「力、ごめん」


家に入り、あたしは1階に力を残し、2階へと駆け上がる。


1階から、奥さんと力の声が聞こえる。


そして、聞こえてくる1つの足跡。


「千尋」


奥さんが、あたしの名を呼ぶ。


あたしは背を向け、俯く。


奥さんはそんなあたしのことを、後ろから抱き締めてくれた。


そして優しく、、、


「何があったか、わからないけど。泣きたい時は、泣きなさい。そしたら、力ちゃんの前でまた笑えるから」


その言葉に、あたしは堪えることなく涙を溢した。


奥さんは何も聞かず、ただ抱き締めてくれる。


それが、あたしには心地よかった。