あたしは、悪魔と契約しました。

それでも、もし、、、


もし、偶然出会うことになっても、、、


お互いに見ず知らずの人だと思って、目を合わすことも、話すこともなく通りすぎよう。


何事もなかったように、、、


それが、お互いの為なんだよ。


未だに手を離さない哲也に、もう1度、、、


「離して」


そう、真っ直ぐに哲也のことを見て、言い放つ。


哲也は手は力なく、あたしから離れた。


「力。帰るよ」


あたしは力に声を掛け、再び力の手を引き歩き出す。


あたしは、下唇をグッと噛み締める。


「ママ、、、」


そんなあたしのことを見た力は、弱々しくあたしのことを呼ぶ。


家はもう、すぐそこだ。