あたしは、悪魔と契約しました。

そして哲也はあたしに、キスを落とした。


__チュッ__


静かなこの場所に、その音がヤケに耳に響いた。


ゆっくりと、離れていく哲也。


閉じていた瞳をゆっくりと、開く。


でも、、、


あたしの記憶は、戻って来てくれなかった。


だから、、、


「ごめんなさい」


その言葉を、あたしは哲也に向けた。


その時、哲也がどんな顔をしていたか?あたしにはわからない。


だってその言葉を吐いた後、哲也はキツクあたしのことを抱き締めてくれたから、、、


思い出して欲しいと望む、哲也。


心の中で思い出したくないと望む、あたし。


いつも、あたしと哲也の気持ちは同じ方向を向いてはくれない。