「…?」


確かに、前には人影があるけれど…


「先輩ー!今帰りですかー⁈」


湊の大きな声で前の影が振り返る


「湊、声デカすぎ」


なんて返したのは
あ、確かにかっこよくて、学校ですごい人気な先輩


優里いわく、イケメン3人組の1人
バスケ部で一つ年上の、彼方 榛名(カナタ ハルナ)先輩


かなりの高身長
涼しげな切れ長の目
ため息出るほど綺麗な鼻筋


短めな髪を流した、かなり大人っぽい先輩


細身だけど体格はしっかりしてて
学校内にファン多数


湊は楽しそうに隣で話しかけていて


先輩はそれに、しょうがないと思いながらも楽しそうに答えてる
そんな感じに見える


同じ部活だから、仲がいいのかな?


優里なら何か知っているのかも
ふたりの関係がなんか気になる


「ねぇ、優里……あれ?」


なんか、優里の顔が引きつってる
「ごめん、伊織。お先に。」


優里はさっとUターンして走り出す

え?なんで急に⁈


と思ったら、影の3人のうちの1人がこっちに向かって全力で走ってきていた


「優里先輩ーー!!一緒に帰りましょう!」
なんて叫んでる。


確か、彼はまだ中学3年の
不破 静(フワ セイ)君


なぜか金髪
背はそこまで高くないけれど、くりくりの目でとても可愛い笑顔が印象的


なんだか憎めない、そんな感じ
彼方先輩とつながりがあるらしく、帰りによく見かける


…優里のおっかけ、なのかな?


ふたりのおいかけっこがはじまった様子


今気づいたけど、湊も優里もいなくて、いつのまにかわたしは一人ぼっちになってた