「おふたりさーん! 急がないとー遅刻するよーん!」 後ろにいた湊が 走って、追いついて、追い越していく そのまた後ろに優里が走っていく 長い黒髪を うっとうしそうに抑えていた 「ふたりも早くね〜」 ふたりとも、運動部だから 体力は余裕そうだった 周りの他の生徒も 走り出していたり 遅刻常習犯なのか まだ歩くペースを変えない人もいた