あっという間だった


あっという間に、放課だ


本を持って、教室を出る


少しずつ体が図書室へ向かう


ゆっくりと、ゆっくりと


伊織との、やりとりが思い出される


妙に自分の鼓動とか、足音が響いた


体は図書室へ向かっていく





ついに図書室を目の前にした


足が止まる


目を閉じる


深呼吸



吸って、吐いて


ほおを叩く


パチンと音が響いて


目を開けば


“頑張れ、俺”


大丈夫だ


図書室の扉に手をかける


扉の取っ手に【OPEN】の文字が揺れているのに


扉に直接【CLOSE】と紙が貼られていた


字が明らかに伊織のもので


少し、笑みがこぼれた


取手に手をかける


そして


伊織の元へ