「どうしよう、すごく嬉しい」


空くんの声が、すぐ耳元で聞こえた


どうしよう、心臓の音
伝わってなければいいけど…!


「側にいていいかな
伊織を、頼っていい?」


「もち、ろん…」


恥ずかしくって
くすぐったくって


もう、なんでもいい


わたしも空くんをぎゅっと抱きしめた





「伊織も、俺を頼れよ


笑ってほしい」


言葉ひとつひとつが大切で


すべてが“好き”に直結してるみたい


「…うん」


そして、なんだかお互い恥ずかしくなって


ゆっくり離れた


訳もなく笑いがこみ上げてきて


2人で顔を合わせて笑った