空くんが、文を読んでいるのを感じた
そして、しばらくしてケイタイが取り上げられた
「え…？」
思わず顔を上げると、空くんの顔は怒っていて…
打ち込んだ文が全て真っ白になって
ケイタイが帰ってきた
「伊織、こんなこと思わないでよ
怒るよ」
空くんは、座り込んでるわたしの隣に座った
でも、少し距離があった
「俺は伊織が地味だとか、ぱっとしないとか、そんなこと、思ったことないよ。
自分で自分下げても、いいことない。
伊織は伊織。
次言ったら、怒るよ」
空くんは顔はこちらに向けずに
わたしもうつむいたまま
空くんの言ってることはもっともだ
下げてもいいことなんてないのに
わたしはいつもネガティヴだから
たまに、こうやって叱ってくれるんだ
でも、この距離の意味は
それだけじゃない気がした
