教室
「…ていうことなんです、けど」
なんだかうまく空くんと話せなくなったこと
意識しすぎてしまうこと
あと一歩、空くんに近づきたいこと
もろもろを2人に話した
もちろん、文通のことは秘密のまま
「ふーん…結構いい感じじゃない」
優里はすごく楽しそうに、にやにやしてる
「ど、どこが…?」
「うまくいってない理由ってさ、お互いに意識しすぎてるから、じゃないの?」
湊の発言に、正解!と優里が答える
そんな風に、言われるとなんだかやっぱり恥ずかしい
「どうしたら、いいと思う…?」
自分には、さっぱりわからなくて
恋愛小説や漫画のように、うまくいくわけじゃないんだなって、実感する
「伊織、自分から速水に何かしたことあるの?」
自分から、したこと…?
最初声をかけてくれたのは、空くん
励ましてくれるのも、空くん
メガネの件も、空くんだし、
いつも手を引いてくれるのも、空くん
デートのお誘いだって、空くんだった
「したことない、かも…」
改めて考えると、わたし何にもできてない…
最初の頃は、まともに話せなかったし
思い返すと、たくさん迷惑をかけてる気がする…
というか、たくさんかけてる!
「じゃあ、自分からなにかしてみればいいよ!」
湊が提案する
…でも何をしたらいいんだろ
「…遊びに誘う?」
「最近行ったばっかだよ…」
湊の案は却下
「じゃあじゃあ、ラブレターは⁈」
「…却下で」
湊、案出してくれて嬉しいけど、いつもしてるんです!
「ちゅーでもしとく?」
「無理だよ!!!」
優里の案は、大却下!
うーん…結局3人で考え込んでしまう

