「全く、手間がかかるわね」


優里は、やれやれといった感じにわたしたちの所にたどり着いた


「「優里、ありがとう」」

「いつものことでしょ?」


なんだかんだ、優里も安心した様子だった






「伊織!」


急に湊がわたしに声を上げた


「な、なに…?」
「ゆっくりしすぎてると、空取られちゃうよ!」


う…痛い言葉…


「そうよー。言っとくけど、速水は人気者なんだから」


うぅ…
わかってますけど…


どう踏み出せばいいのか、分からないんです


「あ、あのね…相談していいですか」


うまくいかないふたつの事の内、ひとつが解決した今、


次に取り組むべきなのは、どう空くんとの距離を縮めるか考えること…


「しょうがない、部活返上して付き合ってあげますか」
「ですね。わたしちょっと行きたくなかったし」


「ありがとう…!」


本当、いつも助けられてばっかり


でも、これで一歩、踏み出せるかも


わたしたちは場所を教室にする移動することにした


「せっかく荷物持ってきたのに!」
と、優里のお怒りの声も聞こえた