「家、ここだから…」
という、この言葉を言うのが嫌で嫌で仕方がなかった
「そっか、じゃあまたね、だね」
という空くんの声と一緒に、手のぬくもりが離れていくのが寂しかった
きっと、次にくる言葉は、「おやすみ」とかかな
これは言ってみたかったから、言いたいなぁ
何て思っていたわたしを空くんの言葉はいい意味で裏切った
「伊織、次の休みの日、どこか遊びに行こう」
それ、って…つまり…デート…?
デート…⁈
「伊織には、たくさん迷惑もかけたし…
でも、このことは関係なしに伊織とはもっと話したいし…だから、伊織の行きたいとこ、どこでも連れてくよ!」
…デートの、お誘いだ
今、すごく幸せだ
こんなことって、あっていいの…?
行きたいに決まってるのに、口が震えて言葉が出ない
「すぐに答え出さなくてもいいよ。
手紙に書いて!いつでも待ってるから」
じゃあね、おやすみ
そういって、空くんは手を振って帰っていく
まって…!
「そらくん…!」
いつもの小さい声より、少し大きめの声で
「絶対、手紙かくから…!
おやすみ!」
頑張っていってみた
空くんは大きく手を振り返してくれた

