結局、授業なんて集中できるはずもなくて
ぼーっとしてたらいつの間にか授業は終わっていて、湊と優里に部活に行くね、と声をかけられていた
そしていつの間にか、図書室にいた
もう、図書室にくるのが当たり前で
手紙のやりとりも当たり前だったから
自然と体は、いつもの本棚へ向かっていた
いつもの図書室の、いつもの本棚にあるのは
何も挟まっていないいつもの本
見た瞬間、なんか頭をガツンと殴られたような、そんな衝撃がきた
もう、手紙が挟まるわけないのに
自分で勝手にやめたくせに
どうしてここにきてしまったのかな
それきっと、もしかしたら…なんて希望が湧いてしまっていたから
なにも挟まってない本を見ると、心がぎゅっと苦しくなる
…ごめんなさい、速水くん
こんなに勝手でごめんね
でもね、まだ全然好きなの
大好きなんだ
結局、わたしは未練たっぷりで
本棚から離れることができなくて
離れたくなくて
いつものように、本を読んで2人を待ったりせず、君のだけを待ったけれど
君の手紙は来なかった

