「一緒にいたいというボクの切望を叶えるために、こうして鎖でキミの自由を奪い、ボクのもとへ縛りつけた。

つぐもに関わる一切のものを断ち切るために、外の世界から隔離した。

それでも、キミはボク以外のことを考える……」


「………っ」



首筋に感じた微かな痛みに体が揺れた。


次いで彼はその部分に唇を押しつけて、散っているだろう印を馴染ませるように舌でなぞる。


その感覚にわたしの体が震えた。




あぁ……彼から与えられるもの全ては毒だ。


わたしを染め上げていく、甘美な毒。


その美しいテノールの声も、昏く輝く瞳も、低い体温も、誇り高い薔薇の匂いも……



その全てがわたしを抗えなくする。




チャラリという鎖の音と同時に、わたしの体はベッドに沈んだ。


それでも、わたしが彼の腕の中にいることは変わらない。