チャラリと揺れる銀の手錠を満足げに見つめ、指先に柔らかな感触を落とす。
何度も何度もあちこちに口付けをされる度に、そこには微かな熱を孕む。
小さく反応するわたしに黒曜はゆるりと口元をあげた。
「あぁ、かわいいかわいいボクのつぐも。
ボクの頭の中は全てキミで満たされているよ。
キミは、どうなのかな……?」
わたしの手を掴む彼の力が、ほんの少し強くなった。
瞳には昏い光が揺らめいている。
「……わたしも、いつも黒曜のことを考えていますよ。
どうしたんですか。あなたらしくないです」
こんなことに不安になるなんて。
わたしは掴まれている方とは逆の手、左手を黒曜に伸ばした。
柔らかな髪の感触と、冷たく陶器のような白い肌に触れる。
そっと撫でてあげれば、すがりつくかのようにわたしの手に擦りよせる。
その姿に、やはりいつもとの彼とは違うような気がした。


