壁は白く一つの汚れも見当たらない。
ベッドも然り。
ついでに言うと、今わたしが着ているのも白。
というかデザインは違うがいつも真っ白なワンピースだ。
なんでもわたしの色は白らしい。
六角形をした部屋にはそれぞれの壁に一つずつ扉があって、いろいろな部屋に繋がっている。
かろうじて入れる一室、つまりはトイレなわけだけど。
そこには鎖が届くけど、他の扉には手が届かない。
ほぼ中央に置いてあるベッドから、なぜトイレには行けて他は無理なんだという疑問は早々にどこかに置いてきた。
考えても無駄だったのだ。
この部屋にあるのは大きなベッドとわきにあるガラスのテーブルだけ。
それ以外は何もないこの空間は一人だと退屈だ。
かと言って彼が来ると………
ガチャ――――
そう考えたとき、部屋の扉が開く音がした。