読書が好きだ、と黒田さんは言った。
健康そうな見た目どおり、スポーツも好きだ、とも話してくれた。
その言葉に対して私は、高鳴る胸の鼓動を抑えながら必死に言った。
「わ……私もです! 私も読書とスポーツ、大好きです!」
それは、決して嘘ではなかった。
本当に読書は幼い頃から大好きだったし、スポーツも観戦することは好きだったのだ。
だけどこれは話が『合ってしまった』と素直に言うしかないと、私は思っている。
その時の私の言葉に、黒田さんは嬉しそうに笑った。
その笑顔を見た瞬間、私は悟った。
ああ、きっと私は、この人に恋をし続けるんだろうな、と。
それはやっぱり現実となって、私は黒田さんに三年間、片思いをし続けている。
あんなに意地悪な人だとは、思わなかったけれど。
