少女たちの恋心




「好き」


「はー?なんて?」


もう、言わないよ。


だって、花火の音に被せて言ったのはワザとだもん。


「俺、幸せだ。」


私も。


「かれん、何で泣いてんだ?」



「んーん?なんでも、ないよ。」



一本の筋を描いて零れ落ちる涙は、もう枯れ果てたと思っていたのに…