夕暮れの中2人で帰っていると、不意に玲が口を開いた。 「俺、好きな人いるんだー。」 その言葉は私の心に傷をつけるには充分で、 心臓がうるさく音を立て始めた。 聞きたくないけど聞きたい。 どっちなんだと思うような心がうるさい。 「へえ。」 声の震えが止まらなくて、素っ気ない返事になる。 「お前には関係ないよな。」 そう言って笑った玲は何処か寂しそうで思わず手を伸ばしたくなる。