「どうした?眠れないか?」 剛が近くの柱に寄りかかり言う。 「吉原ではいつも隣に誰かがいたから、寂しくて眠れないの。」 「そんな薄着…風邪引くだろ?ほら、早く入れ。」 そう言って、私を部屋に向かって軽く押す。 そして、 「…なんなら、俺が一緒に寝てやろうか?」 意地悪な顔で言う。 「それが嫌なら早く寝ろ…」 頭をポンポンとして去っていく。 暖かい手。 優しい笑顔。