私一人だけになった病室を見回した。
ベッドの足元に掛かっているものを見た。
名前 佐野琴葉
入院日 11月23日
23日って確か私が倒れた日。
横に貼ってあったカレンダーには終わった日にはバツ印がある。
そのバツをたどると今日は25日。
私、2日も眠ってたんだ。
「琴葉ちゃん!」
ガラッって思いっきり開け放たれたドア。
走ってきたからなのか髪の毛がボサボサの千夏さん。
目に涙ためながら抱きついてきた。
「そんなに体調が悪かったら言ってよ!私は、琴葉ちゃんのお母さんなんだから。」
お母さん…?
「ありがとう。」
心配してくれてありがとう。

