圭人は頭が良いと有名な大学に進学した。
お互い別々の進路になった為、関わる事も少なくなってきた。
正直そうなって俺はホッとした。
自分の無様である事が自覚しなくて済むからだ。

それから数年、俺は27歳になった。
居酒屋でのバイトも慣れて圭人の事などすっかり忘れていた。
しかし、ある日俺は一人の男性の客と出会った。

「キミ、裏社会に来ないか?」

その客は俺を見るなりいきなりそう言った。
最初はこいつ頭がイカれてるんじゃねーの程度にしか思っていなかった。