サヨナラくそ正義―HERO―

男性は素直にお世辞でもフカフカと言えないソファーに腰掛ける。
ほんの数分で再び依頼室の扉が開いた。
入ってきたのはファイルに入れた書類を持つ社長と、お盆に茶菓子とコーヒーを乗せて持って来た社員の女性。
僕はその女性が少し、いやかなり苦手だ。
連れてきた社長を恨む。

「お待たせしました、私が社長の芦野江です」

社長が男性の向かい側にあるソファーに座り、間に置いているテーブルの上に書類を置いた。
女性も手慣れた手つきで社長と男性の前に持って来た茶菓子とコーヒーを置く。
社長のコーヒーにはミルクと砂糖がふんだんに混入しているのは社長本人と我ら社員しか知らない秘密だ。

「ごゆっくりどうぞ」