「ふふっ、バカみたいでしょ?
でもそんな気がするんだ〜。
私がお兄ちゃんを追いかけた時、あの辺りにいたの。
そこで不良に絡まれて葵君に助けられて…」

私は自分の目が潤んできたことに気づいた。

ほんと、何話してるんだろ?

助けてくれたとはいえ、憐斗君とはまだ会って2回目なのに…

でも私は喋り続けた。

「それにね、あそこで見たのが最後だったの。
チラッと見えたのよ、お兄ちゃんがあの本屋にいるとこが。
私の学校から近いでしょ?偶然車の中から見えたの」