葵君はそう言うと急カーブを曲がり、

くねくねとした道を通っていく。

裏通りに来てやっと止まった。

「ふう、セーフ!!あ、玲ちゃん大丈夫!?」

大丈夫だけど…

「速すぎ…」

「まあこれでも暴走族だから!」

葵君はにこっと笑ってそういう。

こんなかわいい男の子が暴走族なんて!

「あー危なかった!帰ろっか」

今度はさっきよりはスピードを落としてくれたけど、

やっぱり速くて私は悲鳴をあげた。