「那波先生、あの子のデータとか送られて来てるんですか?」
「あっはい。送られて来ましたよ。」
悠李にはどこか影があった。
前の施設では問題行動が少なくなかったらしく…
本当は素直ないい子なんだろうけど、どうしたらいいか分からないことがあるのかもしれない。
「高田先生、データ見ますか?」
「あっいや、那波先生が把握しておいてくれれば大丈夫です。明日、悠李と買い物行ってもらっても良いですか?必要な物はこのノートに書いてあるので」
「全然構わないですよ。あっ今日誰か一緒に悠李ちゃんの部屋で寝てあげてくださいね。前の施設でも夜泣きが酷くて孤立してたみたいなので…」
「分かりました。結城、一週間位頼んで良いか?」
「はい」
孤立…きっと問題行動の原因はそれかな…
子供達だけでは太刀打ちできないことがたくさんある。
全てのケアをできる自信は無いけれど、それでも子供達が笑顔でいてくれるならそれで良い。