「──それから、いつもありがとう」

「え? 急に改まってどうしたの」

「いや、何と無く……」

「そっか。じゃあ、よろしく」

「ああ、うん」

 何だか、変な空気だ。

 普段言わないことを言うから。

 わざわざ口にしなくても、何と無く伝わってるんじゃないかとお互い思っていただろうから。

「あ、ごはん。早く食べなきゃ」

 私は誤魔化すみたいにコンロの前に立ち、旦那はちょっとはにかんだような顔でリビングに戻った。