どんきゃんすとっぷ

珍しく真面目に怒っていた颯の後ろ姿を見送って、ふと思い出した。今となっては戻れない、もう昔のこと。

『なー! 早く行くぞーー!』
「はーくん待って早いよー!」
走る二人の手には小さな缶。缶を持たないもう片方の手はしっかりと繋がれて。高く上がった太陽がきらきらとした光で二人を包む。
「どこにする?」
『ばーか、こういうのは木の下って決まってんだよ。』
「そうなの?じゃああの木にしようよ!」
『おう!』
小さな手に握られてスコップはどんどん地面を削る。そうしてできた穴に二人は缶を大切に置いた。
「できたね....」
『できたな....』
顔を見合わせて笑う。