宇宙で1番好きな人

<アキ編>


[今から3年前、2011年]
私は中学2年生だった。


生徒会副会長、バスケ部部長。

この頃はスポーツマンだった。
部活も楽しくて、生徒会は忙しかったけれどやりがいがあった。

充実した生活を送っていた。







11月23日。

登校後、下駄箱を開けると手紙が入っていた。




なんだろう

そう思いながらも手紙を開けてみる。



[小町アキさん
お話したいことがあります。放課後、体育館裏まで来てください。 中村新太]


中村…新太…?
確か2−A組の…サッカー部だったかな。



何の用かな。



胸に不安を抱きながらも、放課後になると体育館裏へ向かう。






もうすでに来ている男の子が1人。





運動系の顔立ち。



スラッと高い身長。



茶髪のサラサラな髪。



彼が中村新太[AraraNakamura]



『中村…くん? 何か用かな?』






「小町アキさん。


来てくれてありがとう。

喋るのは初めてだよね。
俺は中村新太。よろしく。」



『知ってるよ。中村くん。よろしくね』




「知っててくれたんだね。嬉しいな。」




『えっと…用っていうのは…?』



「そうそう。伝えたいことがあって来てもらったんだ。

俺、アキさんのこと好きなんだ。
付き合ってもらえないかな?」



え…?


『…あ…あの…』



「そっか。俺のこと知らないもんね。

急に言ってごめんね。

俺のこといろいろ知ってほしいから友達になってくれるかな。」




『あ…ぁ、うん』




「いつか絶対Yesって言ってもらえるように頑張るから。」


『う、うん…』




「あ、ごめん。生徒会の仕事あった?!忙しかった?!」


『ううん、大丈夫だよ』



「そっか、よかった。
じゃあまた明日。」


なんか中村くんってよくわかんなかったなぁ。


でも面白そうな人だった。



あ、生徒会室行かなきゃ。






この頃の私は何も知らなかった。



この先何が起きるのか。














あれから3日。

中村くんは私に会うたびに話しかけてくる。

話しかけてきてくれるのは嬉しいんだけど…

中村くんファンがにらんでくるんだよね…………………。




「やっほーぅ!アキ!」
え?!アキ!?



『あ、あぁ、おはよー』



「何か、最近小町さんと新太くん、仲良くない?」




ほらほらキタキタ。


ファンの人の痛い視線。





『中村くんモテるね…。
ファン多すぎじゃない?』





「そう?俺そんなにモテないよ?
アキの方がモテるんじゃない?」



『私?冗談やめてよー笑』




「冗談じゃねーって笑」



中村くんとは平凡な関係が続いてる。



面白い人だし、友達としては好きかな。



友達としては、ね。




多分どれだけ話したって

どれだけ一緒にいたって

好きにはならない。











あれから5ヶ月後。


私はあいかわらず。


1つ変わったことは


中村くんを気にしているかもしれない、ということ。


笑顔で手振って
「アキー」

って来ると
(ドキッ)

ってするときがある。
ってか毎回そんな感じ。



もーーー!!何なの、私って!



好きにならない、とか宣言しておきながら結局好きになってる。



いっつもこう。


生徒会だって、

勢いよく文化祭!とか言ってたのに

結局目標の日に計画が間に合わなくて中止。


小学生の頃だって、

告白された相手のこと好きだったから


両思いになったはいいけど


超モテ男子だったからファンからの嫌がらせに耐えられなくて別れた。



結局いつもダメになる。


優等生、とか

スポーツ万能、とか

そんなことどうでもよくて


人としてどうって話よ!!!



「アキーお昼食べよー」


あっ中村くん。
(ドキッ)


はぁ…もう…



『うん、行こ!』



「え、何それ美味そ。1口ちょーだい」


何…ちょっと…可愛いんだけど…



『ど、どーぞ。』





「美味!
これアキが作った?」


『うん、、、。』




「アキって女子力高いなぁー。さすが副会長ー」


『そりゃどーも。』


フツーに好きっ!って言えればいいのになぁー…。







「そーだ、アキ。アドレス教えて!」



『いーよー!』








「じゃ、後でメールする!」



『わかったー』



(あぁ、好きだなぁ。)

気づいたらそう思ってる。



どうしちゃったんだろ…私…。






<♫~♫>
ケータイがなってる。

画面には中村新太、の文字。



なっ中村くん?!






恐る恐るメールを開けると…




[toアキ
やっほぅ〜中村だよー(^o^)
今日のお昼楽しかったよーありがと!また食べよーねー☻

ところで、アキって好きな人いんの?]




ん?好きな人?
あ、な、た、ですけど?!



[to中村くん
こちらこそ、楽しかったよ!


好きな人ー?誰だろーね?(≧∇≦)]

送信、っと。


変なこと書いてないよね?!

大丈夫だよね?!



<♫~♫>
え?返信早くない?


[toアキ
えぇぇぇぇ〜
教えてよぉ〜(>人<;)]



教えてよぉ〜って教えられませーん。



[to中村くん
だめだめー教えれなーい笑]



[toアキ
えぇぇー?
なーんでー?
いーじゃん、教えてよー。( ^ω^ )]


中村くんって絵文字好きなのかな?


[toアキ
そいえば、中村くんって呼びかたどうにかならないの?]

ん?


[to中村くん
何て呼べばいいの?
中村様?笑]


[toアキ
新太、でいいよ(^。^)]

あ、新太?!

わ、わかりました…!


[to新太
了解d(^_^o)]

今日のメールはここまでかな。


あ………新太…かぁ。


男の子の名前呼びなんて

なか…違った。

新太ファンが絶対怒る。



あー。怖いなぁー。







翌日。


<♫~♫>
メール???


[toアキ
おはよ!

今日は部活ないんだよねー。

だから一緒に行かない?


それと、好きな人教えてよぉ〜(>人<;)]



う…打ってみようかな…。


[to新太
うん、一緒に行こ!


好きな人は
中村新太って人!

サッカーが上手くて、かっこいいんだよ!]


ふぅ…

イチニノサンで送るよ???

イチ…
ニノ…
サン!!!


お…送ったぁ…!

返信は…?


<♫~♫>
きっキタ…


[toアキ
かっこいいとか…照れるよ?////////

ありがとう!俺も好きだ!
今からアキの家行っていいかな?]


え…?
新太が…私のこと…好…き…?


今から?!
急いで着替えなきゃ!


[to新太
オッケー]



やったぁー!新太が来る!








少しずつ彼に惹かれていった。




想像もしなかったの。

これが悪魔の時間が始まる合図だったなんて。













2〜3分後。
<ピーンポーン>


チャイムがなった。



キタ!




『どーぞ!』





「お邪魔しまーす」


え?誰?




新太の後ろには、人がいる。






『えっ…えっと…その方は…?』




「あぁ、紹介するね。

俺の保育園から一緒の松田敦也。」



「よろしくお願いします。」



『松田…くん?よろしくね…。』




何で松田くんまで?



『あ、えっと、どうぞ!』



私の部屋まで案内する。



『何か持ってくるね。』



「お構いなく。」



松田くんは敬語なんだね…笑






「あ、俺も行くよ!」





『いいの?ありがとう!』







やった!2人になれる!





「それで…
あのメールのことなんだけど…」




『うん…好きだよ…////』




「それはよかった。

丁度いいね。」




…え?

丁度いい…?




「敦也、出てきてよ」




『丁度いいって…?』





「俺がお前なんか好きになるわけねーだろ?
生徒会副会長のガリ勉を好きになれ?
は?
無理無理!な、敦也!」



なにそれ…!



「そーですよ、新太には彼女がいる。

あんたのことなんか別に何も思ってないんですよ。
勘違いしないでほしいな。」





え…?


彼女…?




『だって…!
私のこと好きだって言ってくれたじゃない!』




「はぁ?バカなの?

あんなのお前で遊ぶための罠。
嘘に決まってんじゃん?」




「あれ、まさか本気にしちゃってた感じのですか?」




『っ…!』




「「あはははははは!!!」」




「っつーことで、俺お前に興味ないから。

じゃーな、」



「次は誰にしよっかなぁー」



「新太ー、
大久保葉月とかいう生徒会長はどう?

結構すぐハマりそーだよ」





…嘘でしょ…



悔しい…



何で私、こんな男なんか好きになったの?いつから?






いつからこんなんになったの?






もう嫌だ………………………



また同じこと繰り返してるじゃない…





あんな男なんか好きになったことが悔しい………






もう…壊れたい…










それから私は学校にも行かなくなって


ご飯もまともに食べなくて


誰かと会話すらしていない日々が続いた






毎日毎日思い出すのは、



裏切られた日の新太の笑顔。



満面の笑みだった…




サッカーで点をいれたときよりも






腹黒い笑顔だった






何で?何でなの?

なんで私はこんな人のこと…!






何で今でも好きなのよ…!






もう嫌…






「はいるぞ」

え?聖也?







「どうしたんだ。
学校にも来ないで、飯もまともに食ってないらしいな。おばさんから聞いたぞ。

何かあったのか」






『何もないよ』



このときの私は何も信用できなくなっていた。



どんなときも1番近くにいてくれた
聖也のことさえも。







「何かあったんだろ。」







『…っ…
うぅ………』






『聖也…あのね…』



私は全部話した。



泣きながら
何回も何回も泣きながら



新太を好きになったこと

裏切られたこと

今でもまだ好きなこと




「アキ。
俺はそいつを許さないよ。


でもなぁ。俺が許さなくても何も変わらない。

何でかって、部外者だから。

その松田ってやつも部外者だ。


関係してるのは
アキと中村だけなんだぞ。


アキが何かしないとアキも変わらないし中村もこのまま。

アキはそれでいいのか?

ずっとずっと家に引きこもってるつもりか?


中村が学校で大久保とかいう生徒会長狙ってんだろ?

中村のこと好きなら好きでいいんじゃねぇの?


その代わり、後悔しないようにしろ。

アキはアキらしいことをすればいいんだよ。、な?

俺は絶対アキを裏切らない。

どんなことがあってもそばにいるから。

だから、頑張れ。」



聖也…………




『うん…っ
ありがと…ありがと…』




私は決めたの。



もう2度と同じことは繰り返さない。


もう恋なんかしないって