あたしはメールを打ち終えて、津川さんの方を向いた。
一瞬、何だか分からなかった。
それが津川さんの顔だと認識した時、

あたしの唇にあたたかいものが触れた───





・・・キス・・・されてる・・・?




体の力が一気に抜けたと同時に、カーッと熱くなって行く。
あたしは抵抗もせずに、されるがままの状態で、キスされ続けた。


どのくらい経っただろう…時間にしては数秒なんだろうけど…
あたしにとっては、ものすごく長い時間に感じられた。
あたしの唇から津川さんの唇が離れ、津川さんの顔の全体を見据えた。
けど、すぐ目を逸らしてしまった。

恥ずかしくて、顔が見れない…
出来ることならばこの場から立ち去りたい…。
でも、茉実たちと待ち合わせしてるから…無理だ…
あたし、どうしてればいいんだろ…


「ごめん、華奈美ちゃん見てたらつい…」

「ついって…見ててキスしちゃう人なんて、どこにいるんですか…」





「ここにいるよ。」

津川さんの言葉に、あたしは反応して顔を見た。
津川さんの顔は真剣で、とても強い眼差しだった。





「もう、しちゃったから言うよ…。俺、君のことが…華奈美ちゃんのことが………好きだ。」