「おはよう、花野さん」

この声は、一ノ瀬君だ。

「おはよ…」
「珍しいね、花野さんがちゃんと返してくれるなんて」
「…今日部活は??」

話を変える。

「今日も休むよ、まだ行ける状態じゃないしね。それに今、考えてるんだ」
「なにを??」
「ん??俺が部活を辞めるか続けるか、みたいな」
「ダメだよ!!」
「え…」

即答してしまった…。

しばらく沈黙が続く。

どうしよ、えっ…。

「あ、あの、ごめんなさ…」

謝ろうとした時だった。

「何二人で語ってんの??」

と、凌君が後ろから現れ私の肩に腕を置く。

「りょっ、凌君っ」
「なんだよその顔」

か、顔って…酷いな…。

「ま、あれだろ??部活の話だろ」
「そうだけど、なんで分かったの」

と、一ノ瀬君は凌君に言う。

というか今一度申し上げたい。

このメンツなんなんですか。

イケメンが二人。

しかも女子ひとり。

周りの視線も痛いかも。

「お前らの話聞こえたんだよ。んで休むの??」

いやウザイ。

ニヤけながらの凌君は一番うざいぞ。

「まあね」
「逃げんのかよ」
「え??」
「ちょっ、凌君っ」

私は凌君を止める。

「一年前」
「…なに」
「いや、なんもな、じゃあな。歩行くぞ」

先に行く凌君。

「え、う、うん」

私は走って凌君の元に行った。

廊下。

「もう、凌君」
「あいつ相当悩んでんな」
「…うん」
「今日放課後ちょっと待っててくんね??」
「うん、いいけど」
「さんきゅ。顧問のとこ言って話つけてくる」
「う、ん」
「つか、俺的にもそれはどうにかしたいし」

返事をしようとしたけど

「会長!!」
「ん??宮崎??」

飛びついてきたのは宮崎君だった。

この人も、生徒会。

「昨日の件なんだけどまた反対意見が一件出てさ」
「は??」
「それが手強いらしくて生徒会、会長意外全滅されたよ」
「は、せっかく決まりかけてた方針を??」
「そうなんだよ。だから今日はないけど明日も会議だってさ」
「マジか」

少し悩む凌君。

「これがそのプリント。これにうまく対応できなかったら、この件は白紙になるらしい。なんとか頼むよ会長」
「あぁ」

凌君はそのプリントを貰い、山崎君はどっかに行った。

「…はあ…」
「凌君、大丈夫??」
「おぉ。大丈夫だよ」
「そっか」

生徒会に関しては、何も口出しはできない。

力になることも、支えることだって出来ない。

「ほら、次の授業始まるし、行くよ」
「うん」

凌君にしてあげられること

私にはなんにもないんだ。