次の日。

「おはよ」
「…はよ」

凌君がいつも朝家に迎えに来てくれる。

はあ、正直昨日のことがあったからな。

何話せばいいのやら。

「「あの、」」

…。

「なに」

私は凌君に言う。

「あ、や。昨日の事なんだけど」
「…」

やっぱりその話なんだ。

「あの人、日高さんなんだけどさ」
「知ってるよ」
「そっか。俺最近そいつと仲いんだ」
「そう」

つい返事が素っ気なくなる。

そっか、だから最近なんかおかしかったのか。

なんか隠してるって感じしてたし。

納得した。

「なんで私に…」

そんなこといちいち…。

「だからって歩から離れるわけじゃないからな??」
「…」

どうだろ。

凌君はただ、約束を守ってるだけだもんね。

本当に離れたくないとは思ってくれてないよね。

正直私だけが良かった。

今までずっと、凌君の隣にいたのは私だけだったから。

それを横取りされたっていうか。

凌君の事を一番知ってるのは私だって、自慢できるくらいなのに。

それなのになんで??

「ま、それだけは言っとく」
「…」
「約束、したから」

…。

そうだね…。

学校の靴箱に着く。

すると、

ピンポンパンポーン

「至急生徒会長は生徒会室まで来てください」

放送が聞こえる。

「じゃあ俺、行くから」

それだけ言って凌君は生徒会室に行ってしまった。

はぁ…。

なんとなく、授業を受ける気分じゃなかった。

なんだろう。

凌君と今、距離があるっていうか。

今までそんな距離、無かったのに。

ずっと、出来ることならあのままが良かった。

でもそうにはいかないよね。

凌君にいつか、彼女ができること

予想してた。

今まで彼女を作らないでいたのがすごいよ。

今回のことでよくわかった。

私の事、凌君は何も思ってくれてないって。

ただ、約束を果たすだけのことで、

私に対してはなにも…。

好きなのは私だけ。

ずっと思ってるのは私だけ。

全部全部私だけ。

そう考えたら、悲しくなってきた。

保健室で頭冷やそうかな。

そう思った私は保健室に行った。