頭を抱えながら、道を歩いてるのは、この物語の主人公、合川 美玲(あいかわみれい)。
何故頭を抱えてるかと言うと……。
「どうしよう……。宿題忘れた…」
宿題を忘れたから。
どうしよう、どうしよう…。絶対怒られる。これで4日連続だ……。
今頭に浮かんでる選択肢は、

1:素直に謝って許しを乞う
2:言い訳をする
3:死んでお詫び
4:このまま家に帰って気分悪いと言って学校休む

え~っと……、なんか一つだけ変な選択肢がある。うん、無視しよう。
さて、どうしよう…。
一番いいのは、1だけど、怒られる。2の言い訳は見破られるし、3は論外。
…よし、4だ!4しかない!
仮病はいけないことだけど、仕方ないよね!場合によっては仮病を使えって先生に言われたし!(言われてない)
「………なんだろう」
背中から、違和感が………。
振り返る、が誰もいない。
まあ、いいや。取り合えずママになんて言おう。
普通にお腹痛いって言えばいっか。
いや、でも待てよ。

「ママ、なんかお腹痛いんだけど…」
お腹を押さえながら、ママに言う。
「何言ってるのよ、そのくらい我慢しなさい」
と冷たく言う。
「でも、すっごく痛いんだけ…」
「いいから、早く学校行きなさい!」
私の言葉を遮って、そう怒鳴る。
「…はぁい」

うん、一応やめておこう。
熱はすぐバレるし。頭が痛い…はどうだろう。
「まっ、お腹が痛いでいいや」
結局、お腹が痛いと言うことにした。
仮病は、仮病を使うためにある。だから、私は仮病を使う。
「よし、そうと決まればさっそく帰らなくちゃ」
と意気込んだところで…。
私に不幸が襲いかかる。
「いったいどこに帰るの?」
ママの声が後ろからしたような気がしたけど、空耳だよね?うん、空耳だね。なんか、ハッキリと聞こえたような気がしたけど、多分空耳だ。