暴力少女に言われて沈黙した康平は、弁当箱をテーブルに置いて蓋を開けた。弥生が弁当を持っているせいか、彼は無警戒だった。
弥生が弁当箱を開けた時、動かそうとした康平の箸がピタリと静止した。
「あれ、お前の弁当おかず全然入ってねぇじゃん?」
「朝ギリギリに起きちゃってさぁ、ご飯だけ詰めてきたんだ」
「おかずはどうすんだよ?」
「あるじゃんココにさぁ」
弥生はそう言いながら、素早く右腕の屈伸を三回大きく繰り返す。
康平の弁当から、おかずが六個無くなっていた。器用な弥生は、三度の箸の動きで二つずつおかずを捕っていたのだ。
捕獲された獲物の中には、康平が大好物の鳥の唐揚げが二つ含まれている。
「あーっ、ヒデェぞ弥生! 俺のおかず半分以上減ってんじゃん」
「そうねぇ。……お弁当の中身が少なくなったからコレあげるよ」
弥生は、自分の弁当にギッシリ詰まっているご飯から、大きな塊を箸で掴んで康平の弁当にのせた。
弥生が弁当箱を開けた時、動かそうとした康平の箸がピタリと静止した。
「あれ、お前の弁当おかず全然入ってねぇじゃん?」
「朝ギリギリに起きちゃってさぁ、ご飯だけ詰めてきたんだ」
「おかずはどうすんだよ?」
「あるじゃんココにさぁ」
弥生はそう言いながら、素早く右腕の屈伸を三回大きく繰り返す。
康平の弁当から、おかずが六個無くなっていた。器用な弥生は、三度の箸の動きで二つずつおかずを捕っていたのだ。
捕獲された獲物の中には、康平が大好物の鳥の唐揚げが二つ含まれている。
「あーっ、ヒデェぞ弥生! 俺のおかず半分以上減ってんじゃん」
「そうねぇ。……お弁当の中身が少なくなったからコレあげるよ」
弥生は、自分の弁当にギッシリ詰まっているご飯から、大きな塊を箸で掴んで康平の弁当にのせた。


